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今日読んだ漫画「山を渡るー三多摩大岳部録ー」(作:空木 哲生 ①~⑥巻発売中)

山を渡るー三多摩大岳部録ー(Comic Walkerより)

今日は「山を渡るー三多摩大岳部録ー」を読んだ。
年に1巻ずつのペースで新刊が出版されており、先日待ちに待った⑥巻が発売された。
登山ブームの影響で登山漫画はたくさん刊行されているが、私の一押しは、この「山を渡る」だ。KADOKAWAから発行されている漫画誌ハルタ』で連載されている。
作者の空木氏が相当な登山好きであり、リアルな登山描写がありが魅力的な作品だ。

作品概要・登場人物

作品概要

伝統ある、三多摩大学の山岳部。だが今年の春、部は存続の危機を迎えていた…
新入部員は女子3名のみであり、全員登山経験ナシだ。
彼女たちの特徴は、虚弱・ゲーム狂い・読書好き……。
そんな「山ガール」ですらない3人を抱え、山岳部は果たして活動していけるのか!?
過激な登攀もあり。楽しいピクニックもあり。
男子も女子も、文系理系留年浪人、誰でもオーケー。
すべてを包み込んでくれる山を舞台にした、大学生たちの群像劇!!
                     ―漫画全巻ドットコムより

登場人物

この漫画の登場人物は6人、新入生3人と先輩3人である。
登場人物が少ないので読みやすく、新入生側(登山初心者)の視点、先輩側(ベテラン)の視点両方から描かれるため、登山初心者・ベテラン両方が楽しめる物語となっている。

〇新入生

・南部 真菜(文学部1年)
自己評価が低く、内気で冒険できない自分を変えたくて山岳部に入部。料理や裁縫が得意。メガネ女子

・入間 聡子(理工学部1年)
おかっぱの黒髪。ゲーマー。秋田県出身で方言が抜けない。何事も自分で検証しないと気が済まない理系女子。

・加賀 直美(文学部1年)
ソバカス茶髪の子。本を愛する文学少女。山岳文学(山のロマン)に憧れるも、登るより読む方が好き。リュックに背負子を選ぶ渋い子。

〇先輩
先輩たちは相当な登山家であり、ザイル付けて岩登りもしている。

・草場 透(経済学部2年)
イケメン。ボルダー出身で岩登り、ロープワークが上手い。周囲をよく見ており、指導も的確。

・金田 良雄(法学部2年) 
眼鏡男子。山岳部副主将。いかにもな山男。硬派で口は悪いものの、優しく後輩思い。じゃんけんに弱い。

・黒木 世都子(地球人文科学部2年)
先輩の中では紅一点。山岳部主将。おおざっぱでやや強引なところもあるが、フィジカルが強く、岩登りもうまい。料理は苦手。

試し読み

comic-walker.com

本作品の魅力

自分の話をすると、登山歴は20年以上であり、高校では登山部、大学ではワンダーフォーゲル部と山岳部に所属していた。
登山漫画は多数出版されているが、いままで「これは面白い!」と言えるものが正直なかった。
しかし、この「山を渡るー三多摩大岳部録ー」は本当に面白いと思い、全巻購入した登山漫画である。
小田急線沿線にある三多摩大学の登山部の話であり、新入生が入らないと廃部になる登山部に登山初心者の女子新入生3人が入部し、先輩の指導のもと登山を始めるというものだ。
作者の空木哲生氏自身が登山家であり、南北アルプス八ヶ岳奥多摩、奥秩父で(取材を兼ねて)よくテント泊をしているとのことだ。
作者が登山のベテランであり、登山でよくある失敗や登山初心者・ベテラン双方から見た登山の楽しさが余すことなく詰まっているところが本作品の魅力だと思う。
この作品の面白さの1つは、「登山あるある」が散りばめられている点である。
部員が全然集まらなくて新歓で苦戦するシーン、登山道具が高いので先輩のお古をもらい補修していくシーン、仲間との登頂に感極まり部員の1人が涙するシーン、ステーション・ビバーク(駅寝)のシーン、高山病でダウンするシーン、夏合宿の山行計画に登りたい山を詰め込みすぎてOBから怒られるシーン…どれも山岳部あるあるで、面白いし懐かしく感じてしまった。そんで久しぶりに山に登りたくなった。
本作は、登山・テント泊のノウハウがちりばめられており、初心者は自然と登山の知識が身につくこと請け合いであり、またベテランにはあらためて登山の魅力を再確認させてくれる良作である。
久々に地元の山「伯耆大山」にでも登りに行こうかな…

ちなみに先日、第6巻が発売されたばかりなので、第7巻の発売は来年の今頃になる。
気長に待とう。