今日は「えの素」を読んだ。
榎本俊二氏の作品であり、モーニングにて1997年から2003年にかけて連載されており、全9巻である。
ジャンルは、ギャグ・コメディーに加え、エロ・グロ・下ネタも含まれる。どちらかというと後者よりである。
あらすじ・登場人物
あらすじ
前田郷介は妻と離婚後、息子・ みちろうと2人暮らしをしている。
性器露出は日常茶飯事、性衝動をベースとした常軌を逸した行動を繰り返す父に息子は反発しつつ、その特徴はしっかり受け継いでいた。
郷介の勤務先 ・TSURA社は、社長以下セクハラが全面開放された空間。郷介は田村ら癖のありすぎる同僚とともに、仕事以上に日々性と排泄行為に励む。
―マンガペディアより
登場人物
登場人物は下記リンク参照。
試し読み
感想
本作品は主人公の前田郷介、 みちろう親子を中心に生と死、次元を超えて展開されるエログロナンセンスワールドであり、暴行・流血・殺傷・動物虐待・各種ハラスメント及び、性行為・SM・スカトロジーほか性嗜好といったバイオレンス・下ネタ・変態描写を散りばめながら、郷介のまわりの人々をはじめとするさまざまな登場人物の心身の交流が描かれている。今の時代では連載できるのか分からない作品だ。
確かに下ネタが多く、読者を選ぶが、音楽の様に絶妙なリズムと流れを持っているこの漫画は好きな人にはたまらないだろう。
よくまあこんな事を思いつくなぁ、と作者の榎本氏の発想には驚きを禁じ得ない。
個人的には、榎本作品の傑作だと思っている。
その過激かつハイスピードな作風は、合う人はとことんハマる。
また、とことん下ネタ寄りの作品だが、女子キャラがかわいいのも特徴である。
破天荒なギャグは、同業者の中にも多くのファンを生み、連載終了後3年を経て榎本氏以外が本作を素材に描いた作品をまとめた「えの素トリビュート」が2006年10月に出版された。榎本氏の妻・耕野裕子をはじめ、吉田戦車、鶴田謙二、あさりよしとお、寺田克也、萩尾望都らが執筆している。
その他
2020年4月、漫画家兼アニメ監督のまがりひろあきを発起人とし、アニメ化を目指したクラウドファンディングがKickstarterにて行われた。
予想を上回る支援額を達成した「えの素アニメ化企画」は実行に移され、見事アニメ化を果たした。
本作品はファンド寄贈者への限定公開となり、放送・配信形式での公開は行われない予定であったが、youtubeにて3分弱の動画が公開されているのでぜひ見て欲しい。
えの素アニメ
作者の榎本氏は、現在講談社にて「ザ・キンクス」を連載中である。
榎本氏のさらなる活躍に期待したい。