天候が良いので、広島県庄原市にある立烏帽子山へ登りにきた俺と後輩の金井(あだ名)である。
いよいよ立烏帽子山を前に意気込んでいた。
いよいよ登ろうかという時、金井が重い口を開く。
金井「パイセン、さーせん。スノーシューぶっ壊れました…。しかも両方とも…」
金井のスノーシューを見ると、ゴム部分が経年劣化で見事に擦り切れていた。
俺「な、なんだってー!ま、まぁ幸い迂回ルートが2つもある(下図参照)。無理せず迂回しようか?」
さらに厄介なことに、立烏帽子山には今日はまだ人が登っておらず、トレース(踏み跡)が無い状況であった。
こんな場合は、正直なところ危険なので、迂回した方が良い。
下のルート図のとおり、迂回ルートは2つもある。
だがしかし…
金井「いや、登りましょう!幸いパイセンのスノーシューは無事だ。パイセンを先頭にして、トレースを作れば問題ないハズです」
俺「・・・そうか?なんだか嫌な予感がせんでもないんだが・・・」
ということで登り始めたのだった。
トレースの無い頂上までの登りは、想像以上にきつかった。
上記ルート図のとおり、ジグザグに登っていくルートなのだが、ルートを外れてしまったりして、必要以上に体力を使ってしまった。
さらに、少し標高が上がると積雪量も多く(80cmくらい)、非常に過酷な登山となった。
そして1時間後、どうにかこうにか頂上に着いた。
正直なところ、1人だったら引き返していたと思う。
2人で力を合わせて、過酷な状況での冬山を制することができた。
他に人もいないし、頂上でさっそくカップヌードルを食べる。
テンションも上がってきた。
金井「今日はどん兵衛持ってきたんすよ~。エフッエフッ、最強を~喰らえぃ!!」
…と、ちょうどその時であった。
謎のオッサン「あの~、コレ、落としましたか?」
俺と金井「!!!!!」
急にオッサンが出てきて声を掛けてきてメチャクチャびっくりした。
オッサンが、金井が落としたスノーシューの切れ端?を持ってきたのだった。
金井「あぁ…どうも…」
オッサンは去っていった。
変な空気になり、金井と俺はどん兵衛とカップヌードルをいそいそと食べるのであった。
昼食も終わり、あとは下るだけである。
ちょうど14時に県民の森に着いた。
今日の冬山登山はこれで終了である。
帰りに日本最大規模の二重ループ方式道路である奥出雲おろちループにある「道の駅 奥出雲おろちループ」に寄り、蕎麦を食べた。
これが意外にも美味しかった。満足。