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島根のゲームクリエイター!鬼虫兵庫先生の代表作「シロナガス島への帰還」レビュー

島根県ゲームクリエイター
はっきり言って、対極にある言葉だと思う。
昔のデジモンアドベンチャーの映画「ぼくらのウォーゲーム」では、準主人公的なキャラに「島根にパソコンなんてあるわけないじゃん」と暴言を吐かれた島根県だ。

dic.pixiv.net

そんな島根県に自分は住んでいる。
島根県ゲームクリエイターなんて、いる訳ない。そう思ってた。
…けど、いました。いたんです。
その方の名は、「鬼虫 兵庫(おにむし ひょうご)」先生だ。
島根県松江市出身であり、 小説、イラスト、ゲームなどを制作されている。
第二回講談社BOX新人賞では、Stones賞を受賞されている。
そんな鬼虫先生の代表作がPCゲーム「シロナガス島への帰還」である。
このゲームはすごい、というか、こんなゲームを作り上げてしまった鬼虫先生がすごい!
という訳で、ゲームのレビュー及び鬼虫先生について紹介したいと思う。

物語のあらすじ

────私は帰還する…

       あの忌まわしきシロナガス島へ────

 

大富豪の遺書の中に残された『シロナガス島』への招待状。
ニューヨークで探偵業を営む男『池田戦』は
特殊な能力を持つ少女『出雲崎ねね子』と共に島へと向かう。
そこで起きる数々の奇怪な殺人事件。
果たしてシロナガス島に隠された真実とは……?
すべての謎を解き、呪われた島から脱出せよ!

                        (公式サイトより抜粋)

ジャンルはミステリーアドベンチャーであり、ゲームシステムは古き良きアドベンチャーゲームの王道であるクリック型だ。
『数々の疑問に対しての選択肢、そして画面をクリックし謎を暴け!』とのことだ。
選択肢を選んでいくアドベンチャーゲームであり、捜査の場面では画面をクリックし、特定箇所の調査、時間制限付きの選択肢、爆弾の解体、名簿リストから犯人を指摘等、凝ったシステムで飽きさせない作りになっている。

〇公式サイト

tabinomichi.jp

発売と同時に各サイトで話題に

『シロナガス島への帰還』は、PC用ゲームプラットフォーム「steam」で配信され、7万本を超えるセールスを達成、プレイしたユーザーの評価が『圧倒的好評』、好評率は驚異の97%を叩き出した。
また、日本語の他、英語、中国語簡体字、韓国語、スペイン語( スペイン)、スペイン語( ラテンアメリカ)、ポーランド語、ドイツ語を実装し、海外のユーザーからも非常に好評を受けている。
そして驚くべきことに、このゲームは鬼虫先生が原画・彩色・シナリオスクリプトを全て一人で担っているのである。
人物画、そして背景画まで一人で描いたとのことである。
『シロナガス島への帰還』は個人製作でヒットしたインディゲームとして注目され、各種メディアでも特集記事が掲載された。
当初はsteamでの配信のみであったが、好評につきNintendo Switch移植が見事決定し、その際声優によるフルボイス化、PC版、Switch版の物理パッケージの制作を行うこととなり、ファンや多くのゲームユーザーに届けることが目標とされた。
声優ボイスの実装や物理パッケージのリリースにはどうしても多額の費用がかかってしまう…
そこで、資金獲得を目指し、クラウドファンクトディングでプロジェクトを立ち上げたのであった。

クラウドファンディングでのプロジェクト

camp-fire.jp

クラウドファンディングでまさかの2600万達成!!…がしかし!?

前述したクラウドファンディングでは、なんとまさかの2600万もの支援額を達成した。
バンザイヤッター\(^o^)/
これにより、当初の目標どおり声優によるフルボイス化、PC版・Switch版の物理パッケージ制作が実現し、さらにはオリジナルサウンドトラック・ボイスドラマCD、いとうかなこ氏によるイメージソング制作(!!)までもが決定した。(頑張りすぎだろ…いとうかなこ氏と言えば、TVアニメ『STEINS;GATE』のテーマソング等で超有名なアニソン歌手である)

しかし、当たり前だがこれで終わりではない。苦労の道はここからだった。
ゲームを共同開発していた企業room6との数々のトラブル、そして何よりも、"思ったよりお金がかかってしまった"ことであった…
まず、声優のボイス収録。後述するが、めちゃくちゃ豪華声優を採用したためとんでもない額になってしまった(1000万越え!!)。まぁ、その価値は大いにあったと思うが…
そして、クラウドファンディング返礼品製造費と輸送費、さらには特典イラスト作成依頼、いとうかなこ氏へのイメージソング制作依頼により2600万が一気に溶けてしまった。
最終的に200万の赤字(!?)になり、結局親御さんに借りたそうです。
鬼虫先生、漢らし過ぎますぜ…

⇩クラファンの経緯等は、この動画で詳しく解説されてます


www.youtube.com

このゲームの魅力

声優の豪華さ

このゲームの凄さのひとつは、声優の豪華さである。
メインヒロインの声は井口裕香さんが担当するほか、田中理恵さんや石原夏織さん、小林ゆうさん、伊藤静さん、さらには中田譲治さん、平田広明さん、大塚明夫さんなど、マジで豪華なのである。
そりゃあ、採用金額1000万超えるよなぁ…
もう、声優の声を聞くだけでもこのゲーム買う価値あるわ。

camp-fire.jp

魅力的(性癖強め!?)なキャラクター

物語を盛り上げるのが、その作品のキャラクターたちである。
まず、最近よく見かけるような妙にキラキラした女キャラが出てこなくて良い。
というかこの作品はその逆と言っても過言ではなく、ヒロインが陰キャなオタクで、妙に肉付きが悪く、さらには腋毛(!?)まで生えている…
一応水着シーンといったものもあるのだが、なかなか衝撃的な光景である。
刺さる人には刺さる…のか?
気になった方は、ぜひ作品を購入して確かめてほしい。
ヒロインのほかにも、メジロマックイーンを彷彿とさせる"ですわ口調"のお嬢様、田中理恵氏演じる大人のお姉さん、小林ゆう氏演じるショタなど、魅力的なキャラクター盛りだくさんなのである。

ヒロインの出雲崎ねね子
                    『シロナガス島への帰還』より
                   

中田譲治氏演じる執事
                    『シロナガス島への帰還』より

お嬢様とその従者
                    『シロナガス島への帰還』より

メイド
                    『シロナガス島への帰還』より
予想できない展開

予想できないストーリー展開も魅力的だ。
探偵と少女が孤島へ招待され、そこで様々な事件に遭遇し解決へ向け奔走する。
横溝正史シリーズや漫画『金田一少年の事件簿』が好きな人にはたまらない展開だろう。
王道のミステリーでありながら、ストーリーが巧妙に作りこまれており、展開が予測できない。ミステリー、サスペンス、そしてホラーといった内容で、純粋なミステリーと思ってプレイすると終盤の展開には唖然としてしまう。
伏線描写とその回収が上手い作りになっており、序盤からかなり多くの伏線を張り巡らせて、テンポよく物語が進んでいき、ストーリーに見入ってしまう。

                    『シロナガス島への帰還』より

                    『シロナガス島への帰還』より

                    『シロナガス島への帰還』より

                    『シロナガス島への帰還』より

                    『シロナガス島への帰還』より

鬼虫先生、これからも島根を盛り上げてください

『シロナガス島への帰還』をプレイして、このゲームを一人で作り上げた漢の意地みたいなものを感じた。
もちろん、ゲーム制作会社に協力はしてもらっているが、原画・彩色・シナリオスクリプトを全て一人で担当し、人物画、そして背景画まで一人で描いたなんて凄すぎる。
さらには、クラウドファンディングを成功させ、豪華声優によるフルボイス化、イメージソング制作をやってしまうなんて、なんという行動力なのだろうか。
マジで尊敬する。
島根県松江市という同じ出身地に住んでいる者として、誇りに思う。

我が道を進む同士として、また、同じ島根県松江市に住んでいる者同士として、いつか呑みにでも行けたらな、とか思ったりする。
また、下記の記事によれば、鬼虫先生は松江を舞台にした次回作を制作中とのことだ。
2023年末までの完成を目指し、普段から松江の街を歩いてインスピレーションを膨らませているらしい。
鬼虫先生の今後の活躍が、非常に楽しみである。

newsdig.tbs.co.jp

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販売価格は驚くほどリーズナブルである。
次回作が出たら、もっと高くても全然買うと思う。

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